さて今回は初めてとなるウクライナ軍の旧型24hレーションを紹介したいと思います。ウクライナ軍の24hレーションは主食が缶詰になっている旧型のものと主食がレトルトパックになっている新型のものがあり、旧型はメニューが1種類だけで新型はメニューが7種類あるようです。今回紹介するのは旧型のメニューが1種類だけのものです。
表側のパッケージの下側には賞味期限が記載されており、これによると賞味期限は2022年8月26日となり、新鮮なレーションといえそうですがよく見るとパッケージの下部に亀裂が入っており、密封性が失われています。パッケージのビニールに他国軍のレーションのパッケージにあるような柔軟性がないため亀裂が入っているのだと思います。
このレーションの裏側です。パッケージの上部には取っ手が付いており、容易に持ち運べるようになっていますが、取り付け位置がずれています。
恒例のフランス軍レーションとの比較です。フランス軍レーションよりもわずかに大きく、サイズ感としてはドイツ軍の新型24hレーションと同じぐらいです。
開封
では早速レーションを開封してみましょう。中には朝食、昼食、夕食の3パックが入っています。
上から時計回りに朝食、昼食、夕食のパックです。このように3食に小分けにされているのがウクライナ軍レーションの特徴です。
なんと小分けにした袋にも亀裂が入っています。どうやらパッケージと同じ素材で出来ているようです。これでは主食の缶詰は大丈夫でしょうがクラッカーがしけっていそうです。このレーションのパッケージには色々と問題がありそうです。
これが朝食のメニューです。主食はそばの実と牛肉のカーシャで、その下にパテがあります。その右側にあるものはクラッカーで、その下にあるのはインスタントコーヒーです。後は砂糖やウェットティッシュ、ナプキンなどの付属品類です。主食が缶詰のロシア軍レーションと何となくですが似ています。今回はコーヒーは飲みませんでした。
これが昼食のメニューです。主食はビーフシチューとなり、朝食のインスタントコーヒーの位置には紅茶があります。他国のレーションに比べるとボリューム不足のような気がします。スプーンも付属していません。
これが夕食のメニューです。主食は大麦と牛肉のカーシャとなり、砂糖の下にはハチミツが2袋あります。夕食なので一番最後に食べると思いますので、1食でハチミツを2袋使い切るのは難しいのではないでしょうか。このレーションは3食に分けて梱包されているのでまんべんなく使うことが難しいと思います。
実食
朝食
これが朝食です。一つ一つの量は多いですが副食類などがないので、総合的なボリュームが不足しています。
そばの実と牛肉のカーシャはロシア軍レーションに入っているものとほとんど同じですが、ロシア軍のものより脂っこくそばの実のクセが強いような気がします。量がかなりあるので食べ切るのが大変でした。
クラッカーは予想通りしけっていましたが、それよりも驚いたのは写真から分かるように小麦のふすま(小麦の胚芽や外皮)のようなものが大量に入っているため麦わらのような味がします。あまり細かくなっていないためか、よく見ると籾殻のようなものが入っているものもありました。何かと一緒に食べないといけないような感じがします。
パテはレバーパテで、ロシア軍レーションに入っているものとほとんど同じですが、ロシア軍のものより少しクセが強く食感がザラザラしているような気がします。
昼食
これが昼食です。主食が缶詰のロシア軍レーションと同じぐらいボリュームが不足しています。
ビーフシチューは通常のロシア軍レーションと同じものですが、こちらの方があっさりとしていて食べやすいような気がします。
紅茶のパックを開けたところです。これにお湯を注ぐと...
こんな感じになりました。味は普通の紅茶なのですが、このことはロシア軍レーションにも言えますが他国のレーションの紅茶と比べると香りがあまりないような気がします。これは袋の密封性が関係していると思いますが、クラッカーがしけっていなくても香りがあまりない時もあるので紅茶自体の問題のような気もします。
夕食
これが夕食です。紅茶は作りましたがレーションの内容に合わせて簡易仕様なので写っていません。
大麦と牛肉のカーシャですが、朝食べたカーシャとは違い、昼のビーフシチューに大麦を入れて煮込んだような感じでビーフシチューの旨味と大麦のもちもちした感じが合わさって非常に美味しいです。大麦のクセも少なく非常に食べやすいものでした。
ハチミツは普通のハチミツで、クラッカーに付けて食べることでクラッカーが食べやすくなります。クラッカーに入っている小麦のふすまと相性が良いのでなぜ3食全てにハチミツが入っていないのかが気になります。
総評
今回は初めてのウクライナ軍レーションでしたが、主食の量は多いのですが副食類がほとんど付属していないため結果的にボリューム不足のものでした。味はクラッカー以外は平均的なロシア軍レーションと同じような感じで、メニューの内容もウクライナ軍レーションならではのものが皆無で、ロシア軍レーションと変わらないものでした。新型のものにはボルシチがメニューにあるようなので(ボルシチはウクライナ発祥です)、次回ウクライナ軍レーションを紹介する際は新型のボルシチがあるメニューにしようと思います。新型のものは今回紹介した旧型のものと違ってパッケージに亀裂が入らないように改良されているのかが気になります。
次回は今度こそ箱型のドイツ軍24hレーションを紹介しようと思います。